【2024年最新】飲食店向け損害保険まとめ
飲食店向けの損害保険の種類をまとめました。
損害保険とは
損害保険は、偶然のリスクによって生じた損害をカバーするための保険です。自然災害、ケガ、盗難、または損害賠償責任など、リスクに応じて必要な損害保険も変わってきます。損害保険にはニーズに合わせ、さまざまなリスクに対応できるよう、幅広い商品があります。
飲食店における損害保険の意味
飲食店において損害保険があることは、経営リスクの軽減と経営の安定を図るために重要です。具体的には、以下のような点で役立ちます。
財産の保護
飲食店の設備や備品、建物などが火災や自然災害、盗難などで損害を受けた場合、損害保険が補償金を提供することで修理や再購入が可能になります。これにより、営業の中断や復旧にかかる費用を大幅に軽減できます。
賠償責任のカバー
飲食店で提供した食事が原因でお客様が食中毒になったり、店内でお客様がケガをした場合など、飲食店側に賠償責任が発生する可能性があります。損害保険は、これらの賠償金や訴訟費用をカバーすることで、店舗経営者の経済的負担を軽減します。
収益の保障
事故や災害で一時的に営業ができなくなった場合、売上の減少が避けられません。損害保険には営業中断補償が含まれる場合があり、一定期間の収益損失を補填することで、経営の継続をサポートします。
信頼性の向上
損害保険に加入していることで、取引先や顧客に対する信頼性が向上します。特にフランチャイズ契約や融資を受ける際には、保険に加入していることが条件となる場合もあります。
従業員の安心感
従業員が安全に働ける環境を整えるための保険としても重要です。従業員が業務中に事故に遭った場合の補償を行うことで、従業員の安心感が高まり、結果として職場環境の改善にもつながります。
飲食店の運営には様々なリスクが伴いますが、損害保険を適切に活用することで、予期せぬ事態が発生した場合でも事業を安定して継続できるように備えることができます。
飲食店で考えられるリスク
飲食店起こり得るリスクを確認します。
食中毒
飲食店にとって致命傷になりうるのが食中毒発生のリスクです。食中毒の発生場所の多くは飲食店が占めています。
2023年11月11日と12日の両日にて東京ビッグサイトにて開催されたデザインフェスタで販売されたマフィンから、「糸を引いている」「腐敗臭がする」という報告や食後の体調不良が発生したことはニュースで大きく取り上げられたことは記憶に新しいところです。マフィン店のその後の対応について批判が殺到し、SNS上では炎上、大規模な回収騒ぎとなりました。
このように食中毒は一度に多くの被害が出るだけではなく、重症化や最悪の場合、死亡事故につながる恐れもあるのです。
賠償金が驚くほど高額になった事例も少なくありません。
火災
火を使用する飲食店では、常に火災について考えておかなくてはいけません。自店舗ではなく、隣近所からの火災が燃え移ってしまう可能性もあるのです。
従業員
業務によって従業員が業務が怪我を負ったり、病気になってしまったりするリスクもあります。
飲食店向けの保険に入るメリット・デメリット
メリット
飲食店向けの保険に加入するメリットは、飲食店を経営するうえで起こり得るさまざまなリスクを回避もしくは軽減できる点です。
食中毒が発生した場合に、店側に過失があれば被害を受けた顧客に対して損害賠償責任を負う必要があり、また店舗を休業しなくてはいけません。
営業を再開しても信用回復ができなければ廃業に追い込まれてしまいます。
予期せぬトラブルによる営業中断や収益損失に備えることができ、長期的な経営の安定につながります。特に、営業中断保険があると、事故や災害で営業が停止した場合でも一定期間の収入を補償されるため、資金繰りの安心感を得ることができます。
損害保険に加入することで、法的リスクの管理として、法律や規制に基づく損害賠償責任に備えることが可能です。
デメリット
定期的に保険料が発生する点が挙げられます。飲食店に起こり得るリスクに対して複数の保険に加入すると、保険料の支払いが経営の負担になりかねません。
また、すべてのリスクが補償されるわけではなく、保険商品によって補償範囲に制限があることに注意してください。特定の自然災害や意図的な損害、保険加入時に申告していないリスクに関しては補償対象外となることがあります。
契約は複雑である場合がおおくみられます。そして調査や手続きに時間がかかることがあり、保険金の支払いまでに時間がかかるということを覚えておきましょう。その間、事業の立て直しに資金が必要な場合、キャッシュフローに影響を与える可能性も考えられるでしょう。
飲食店向け損害保険まとめ
飲食店には仕事中の賠償リスクや事故に伴い利益の損失が考えられますが、飲食店の損害保険ってどのような種類があるのでしょうか?
災害に備えた火災保険
飲食店だけではなく、火災はいつ起こるか分かりません。ましてや飲食店によっては火を扱うことになりますので、火災リスクが高いといえます。
そのため、災害時の補償を受けられる火災保険は飲食店の中でも一般的なものとなっています。
PL保険(製造物賠償責任保険)
食中毒の際の保険です。飲食店にとって、食中毒は起こさないよう細心の注意を払わなければならないものである一方、起きてしまうこともあり得ます。
その時のための保険であり、飲食店業務で発生しがちなさまざまなトラブルによる損害を広く補償してもらうことができます。コストパフォーマンスが優れているのでおすすめです。
雇用があるなら労働保険
多くの飲食店では従業員やアルバイトを雇用しています。従業員やアルバイトが業務中に仕事中に怪我をしてしまった場合の保険となります。
労働保険に加入していない場合、従業員やアルバイトが業務中のけがを負った際には賠償請求をされる可能性があります。
個別に入るよりも簡単な店舗総合保険
近年は店舗総合保険が人気を集めています。火災や地震などの自然災害から不慮の事故、外部からの損害や盗難、それらに伴う休業の損害などを幅広くカバーするものです。とりあえず総合保険に加入しておくことで安心感を得ることはできますが、補償の内容などをしっかりと確認しておきましょう。
その他の保険
上記以外の飲食店向け損害保険もあります。
施設賠償責任保険
事業用の賃貸物件の所有者または管理者が加入できる施設賠償責任保険。業務中に起きたトラブルによってお客様・周辺住民・通行人などに被害がおよび、損害賠償の責任が生じた場合に役立つ保険です。
店舗休業補償保険
お店を一定期間閉めざるを得ず、収入が著しく減った場合に補償してくれる保険になります。
テナント保険
テナント物件に入居している飲食店におすすめです。火災保険と似ていますが、違いはテナントに入居している場合のみ加入できる点と補償範囲が広い点です。
正しく選びましょう
保険はあるだけ入っておけば安心と考えるかもしれませんが、その分保険料がかさむことになります。必要か不要なものかを正しく判断して選ぶようにします。
店舗の場所や業態などから、考えられるリスクをピックアップし、ニーズに合ったものだけを選びましょう。また、さまざまな保険会社がある中で、1社だけで決めてしまわずに、複数社を比較検討することがおすすめです。同じ商品名でも、保険会社によって補償される対象や支払われる保険金などが異なるからです。
飲食店向け保険に加入する方法
飲食店向け損害保険に加入する際には、業種や規模、リスクなどに応じて適切な保険を選ぶことが重要です。以下は加入の手順と考慮するポイントです。
保険の種類を確認する
火災保険
店舗や設備が火災や爆発、落雷などで損害を受けた際の補償
設備・什器損害保険
厨房機器や家具などの損害を補償するもの
店舗総合保険
火災、盗難、水害などの広範なリスクをまとめて補償するもの
賠償責任保険
お客様が店内でけがをした場合や、提供した料理が原因で食中毒が発生した場合などの賠償を補償するもの
休業補償保険
事故や災害により営業ができなくなった場合の損失補償
加入のための準備
リスクの把握
店舗の所在地や建物の特性、設備内容、営業形態などを考慮し、どのようなリスクがあるかを確認します。
見積もり依頼
複数の保険会社に見積もりを依頼し、補償内容や保険料を比較します。
保険代理店や専門家に相談
飲食店特有のリスクに詳しい代理店やコンサルタントに相談すると、店舗に合った保険プランを選びやすくなります。
補償範囲と保険料の検討
補償範囲
不測の事態に備えて、必要な範囲を十分にカバーするプランを選びます。特に、火災・食中毒・賠償事故のリスクが高いので、対応する保険の加入が望ましいです。
免責金額
小規模な損害は自己負担にするなど、免責金額を設定することで保険料が抑えられます。
保険料の調整
各社のプランを比較し、無理のない範囲で保険料を検討します。
加入と保険契約の管理
保険を決めたら、必要書類を提出して加入手続きをおこないます。契約後は、定期的に保険内容や補償範囲を見直し、店舗の状況に応じて適切な補償が続くよう管理します。
保険会社・代理店の選定
信頼性の高い保険会社や、飲食業界に特化した代理店を選ぶことを優先します。補償時の対応などは、口コミや評判を参考にするといいでしょう。加入を検討する飲食店向け保険を決めたら、加入手続きを開始することになります。加入方法ごとにメリット・デメリットがあることを考慮します。
保険会社のwebサイト
飲食店向け保険に加入する方法として、保険会社のWebサイトからの申し込みがあります。近年は自動車保険などでもよくみられるようになりました。人件費がかからないことから、保険料が抑えられる傾向にあります。口コミなどを参考に保険商品の評価をすることになったり、わからないことは自分で調べたりと、担当者がつくわけでないため、自分から積極的に動く必要があります。
保険代理店
飲食店向け保険に加入するには保険代理店を利用する方法もあります。保険代理店では異なる保険会社の保険商品をプロの視点から比較しておすすめしてもらうことができます。ただし1社の保険会社から委託されている専属代理店というものがありますので、注意が必要です。
保険の窓口
保険会社の窓口で加入手続きをおこなう方法もあります。担当者から直接話を聞くことができ、疑問点や不安な点などを解説してもらうことができます。ただし他社との比較検討を考えている場合、それぞれの保険会社の窓口にいかなくてはいけません。また自分の会社の保険に入ってもらいたいため、他社の保険と公平に評価したアドバイスを受けることはできません。
注意したいこと
- 故意による事故や重大な過失、法令違反などは補償対象外となります。補償対象を確認しましょう。
- 低すぎる保険料には注意が必要です。保険商品ごとに免責金額や支払限度額は保険料によって決まります。
まとめ
飲食店は食事を提供するサービスであることから、どんなに気を付けていても完全にトラブルを避けることはできません。日頃からの予防はもちろんのこと、万が一に備えて損害保険に入っておくことで、リスクに備えましょう。
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