厨房機器施工時の失敗事例と注意すべきこと
厨房機器の施工で失敗すると使いにくい厨房になるだけでなく、営業にも支障をきたします。失敗事例から注意点を学び、失敗のない施工をおこないましょう。
厨房機器の施工
飲食店での厨房機器を設置する時期とは、内装工事も終わり、オープンまであとわずかといったところです。いよいよ厨房機器を搬入し、設置をする段階でのトラブルや失敗は、その後の営業に大きく影響を与えることになります。また厨房機器は設置するだけでは稼働しません。自分で施工することも可能な厨房機器もありますが、業務用ではだいたいの場合、配管をつなぐ必要があり、それぞれの厨房機器に合った工事をおこなう必要があるのです。飲食店において厨房機器はなくてはならないものであるため、スムーズな施工が重要となります。失敗事例を参考に注意するべき点をしっかりと覚えておきましょう。
厨房機器の施工時の失敗例
厨房機器の施工において、失敗事例はさまざまな要因によって引き起こされることがあります。以下に、よくある失敗事例とその原因、および対策について説明します。
搬入、設置スペースの不足
失敗事例
厨房機器を購入したものの、搬入の際に出入口を通ることができず、厨房に運び込むことができないといったトラブルは意外とよく発生するものです。
また、搬入はできたものの予定していた設置スペースに収まらないという問題もしばしば起こります。さらにスペースに設置してみたら、作業するスペースに余裕がなくなってしまったというトラブルもあります。どちらもオンラインなどで購入した際によくみられます。
原因
寸法をしっかり測らなかった計測ミスや、実物をみていないことから実際のサイズ感を把握できていなかったりして配置計画が十分でなかったことが原因といえます。
対策
事前にスペースの正確な寸法を測定すること、そして機器の配置をシミュレーションをおこないましょう。必要な作業スペースや通路幅を確保するために細かい部分まで丁寧に設計しましょう。
コンセントの位置
失敗事例
コンセントは壁に埋め込んでありますが、設置の位置を間違えてしまうと電源コードの先の部分の厚みやコンセントの頭の厚みによって、機器が壁から離れてしまうパターンがあります。電源が必要な冷蔵庫などは背面はフラットになっています。つまりそこにコンセントがあると、電源コード先の厚みでぴったりおさまらないということになるのです。
原因
安易にコンセントの位置を決めてしまうと、いざ厨房機器を設置しようとしたときに気付くことになります。
対策
設計段階からどこにどの厨房機器を設置するのかを決め、厨房機器がぴったり配置できるようコンセントの位置を確認しながら計画をたてましょう。
配管や配線の不備
失敗事例
配管や配線のトラブルは、水漏れや電気が使えないなど機器の使用に支障が出てきます。特定のメニューが提供できないなど営業にも影響が及んでしまいます。
原因
給水、排水、ガス管等は、床や壁から出ていますが、位置が適切でないと予定通りの位置に厨房機器を設置できない場合があり、無理な施工をおこなったり、配管や配線の施工が不適切だったり、チェックを怠ったってしまうと起こるトラブルです。
対策
電気は電気工事を専門におこなう業者、排水などの配管は水道工事が専門の業者、ガスはガス工事業者がおこなうといったように工事の箇所によって業者が異なります。そのため施工は専門の業者に依頼し、施工後に厳密な検査を実施するようにしてください。配管や配線の配置図を作成し、計画的に施工しましょう。
換気設備の不具合
失敗事例
換気扇の位置の問題や換気能力不足で、厨房内に熱気や煙がこもってしまうという失敗例です。煙や熱気が厨房を超えて客席まで漂ってしまうこともあるため営業に支障をきたすトラブルになります。
原因
換気システムの設計や設置位置、台数などが不適切だったことなどが考えられます。
対策
換気の基本ルールは、排気する容量に合わせて外部から同じ量の新鮮な空気を取り入れなければいけません。メニューを確認し、その調理と比例する換気能力を備えている換気扇に交換する必要があるかもしれません。それには大掛かりな工事が必要となる場合があるため、熱機器をしようする近くに新しく換気扇を追加する方法でもいいでしょう。また定期的なメンテナンスと清掃も換気に大きく影響するためまめにおこなってください。
機器の安定性不足
失敗事例
厨房機器が不安定で、使用中に倒れたり動いたりするといったトラブルは非常に危険です。
原因
施行の際の固定が不十分だったことがあげられます。
対策
厨房機器機器をしっかりと固定してください。必要に応じて、固定具やアンカーを使用することもおすすめです。
厨房機器を施工する際に注意すべきこと
ではここで厨房設備の工事を施工する際の注意点を確認しておきましょう。
内装の規定を把握しておく
店舗では内装の規定というのが法律上決められており、その規定は店舗の種類によって異なります。それに沿ってて厨房設備も製造販売されています。
この厨房設備に関する規定を把握した上で、内装のレイアウトやデザインの構成を決めることがポイントです。厨房設備の構成を組む際には、事前に規定を確認した上で設計すると失敗を避けることができます。
複数の業者に話を聞く
厨房設備の工事に対応している業者は数多くあり、それぞれの業者によって特徴が異なります。業者選びのミスが厨房機器施工の失敗につながっている例が非常に多いのが事実です。工事を依頼する際には、複数の業者からじっくりと話を聞いた方がよいでしょう。厨房機器の施工実績が多くある業者を選択することが重要といえます。
現場のチェック
工事を業者にまかせっきりにしないことをおすすめします。自分の目でチェックし、設計図どおり、希望通りに工事が進んでいるかを定期的に確認します。イメージしていた厨房設備とのずれを感じ、工事をやり直すことになると余計な出費となってしまうため様子をみることも忘れずにおこないましょう。
まとめ
厨房機器の施工における失敗を防ぐためには、事前の計画と詳細な確認が重要です。また、専門の業者に依頼し、施工後の検査とメンテナンスを怠らないことも大切です。