業務用厨房機器とは
飲食店の厨房で使用される業務用厨房機器にはどのようなものがあるのでしょうか。
業務用厨房機器とは
厨房機器とは、外食産業、病院、ホテル、工場など飲食物を提供する調理施設でプロフェッショナルが使用する厨房機器のことをさします。飲食に関わる料理に関係する仕事にはなくてばならない設備といえます。
業務用厨房機器は、一般的な家庭用のキッチンにあるものとは異なる点として、大型であること、耐久性が高いこと、使い勝手がよいものなどが多く、さらに高性能であることが特徴といえます。
業務用厨房機器は、業種やその用途に応じて、用意するべきものが異なります。たとえば、レストランでは料理をするためにガスレンジや電気レンジが必要となります。また客席などの空調施設としてエアコンが必要となったりします。
一方で、カフェでは、コーヒーのためのより本格的な業務用エスプレッソマシンや業務用コーヒーマシンが必要とされる場合があると考えられます。また飲食店などの営業を始めるにあたり、必ず必要とされる厨房機器というものがあります。
代表的な業務用厨房機器
業務用厨房機器にはさまざまなタイプがあります。業種にかかわらずどのような飲食店でも使用される頻度の高い代表的な業務用厨房機器を紹介します。
製氷機
製氷機は氷を作るための機器です。家庭用にも製氷機がありますが、業務用の製氷機は圧倒的に製氷スピードが速いのが特徴となっています。
さまざまなタイプがあり、バーチカルタイプ、アンダーカウンタータイプ、卓上タイプ、スライド扉タイプなどがあります。
現在の飲食店では業務用製氷機のほとんどがセル方式といわれるものを採用していて、氷の中央に凹みがあるのが特徴となっています。
ドリンクメニューの多い居酒屋やバー、コールドドリンクがよく売れる夏場などには氷の使用料が普段よりも多くなることが考えられます。製氷能力と氷の保存量の目安は夏場を基準として余裕のあるタイプを選ぶといいといわれています。
食器棚
飲食店においての食器棚は、食品衛生法と食品営業基準において扉付きの食器棚であることが最低1台以上設置しなくていけないことになっています。
食器を衛生的に保管することができるか、という点がポイントとなります。天井と棚の間に隙間があったり、目線より高くなったり低くなったりするのは NGとされています。
一時的な保管用としての扉がついていない食器棚は認められていますが、膝よりも高く目線よりも下の高さといった厳格な設置基準があります。
営業がおわった際にはきちんと食器棚にしまうことが義務付けられています。掃除のしやすいステンレス製、樹脂製のものが使い勝手がよいとされています。
作業台・調理台
作業台・調理台は、盛り付けをしたり、料理をセットする際に使用される台のことです。素材はステンレス製が一般的で、サビにくく手入れがしやすい素材となっています。
スノコ板がついているもの、引き出しや引き戸がついているものなど、さまざまなバリエーション展開となっています。
またサイズも豊富となっており、厨房の広さだけでなく、作業導線も確認しながら大きさを選ぶといいといわれていますが、一般的に身長÷2+5cmの高さが使いやすいとされています。作業台を主に使う人の身長も考慮するといいかもしれません。
またコールドテーブルを作業台としている場合も多くみられます。
コールドテーブル
いわゆる横長タイプの冷凍冷蔵庫のことを指し、厨房スタッフが調理した食材や料理を保存するのにも使用されています。
コールドテーブルには、温度を調節できる冷却システムが装備されているのが一般的で、常温から低温まで温度を調節することができます。ステンレス製のテーブルトップが使用されていることで清潔に保つことができます。
冷凍冷蔵庫と作業台を兼ね備えているため厨房に十分なスペースがない小さなお店ではとても便利です。
冷凍冷蔵庫
業務用冷凍逓増子は食材を保存するために飲食店を営業するうえでは欠かせないアイテムのひとつです。
どれくらいの量の食材をストックするのかを考慮したうえで、それらを収納できる容量のものを選ぶ必要があり、サイズ、冷凍・冷蔵のバランス、扉の数などさまざまなバリエーションがあります。また冷蔵品と冷凍品の比率によって、選ぶタイプが変わってきます。
冷凍冷蔵庫は、厨房機器のなかでもサイズのバリエーションが豊富で、中には1500Lほどの大きさまで展開されているものもあります。設置スペースをあらかじめ決めて、レイアウトに沿ってサイズを選ぶ必要があります。扉の開け閉めなどがストレスにならないように気をつけなくてはいけません。
また容量だけではなく、業務用冷蔵庫の冷却機能は家庭用の冷蔵庫に比べて圧倒的に優れているといった特徴があります。業務用の冷凍冷蔵庫は飲食店の営業許可の条件として外に中の温度がわかるような温度計がついていることが必要となります。
シンク
業務用のシンクは、調理前の手洗いや、食器や調理器具の洗浄のために欠かせまないもので、1槽、2槽、3槽と水槽の数でタイプが分かれています。
ステンレス製のものが多く、耐久性が高く、汚れがつきにくく、清掃がしやすいため、清潔に保つことができるとして、飲食店やカフェなどでよく使われます。また、引き出しや扉がついていて利便性に優れているものなどもあります。
片面シンク、両面シンク、三面シンク、深型シンクなどの種類があります。使用するシンクは、調理や清掃作業の種類や規模に応じて選択することができます。
飲食店の営業許可を受けるためには、基本的に2槽以上のシンク(幅45cm以上、奥行き36cm以上、深さ18cm以上のもの)を設置する必要があります。食器洗浄機がある場合には、それが1槽とみなされるため、1槽タイプのシンクでも認められる場合もあります。
食器洗浄機
業務用食器洗浄機は、大量の食器を効率的に洗浄するための厨房機器で、自動的に食器を清潔にすることができるため、食器を洗う作業を省くことができます。
通常の場合、高圧の水を洗剤を使用して食器を洗浄し、乾燥までおこなう場合もあります。
飲食店であれば必要だったり、あった方がいいと考えられる厨房機器は上記のようになっています。
業種によって必要となる業務用厨房機器
一般的な飲食店で必要とされる厨房機器の他に業種によって必要となるものを紹介します。
ガスレンジ
ガスを使用した調理用のレンジで料理の種類や量に応じて火力を調整することができます。
ガスフライヤー
ガスを使用したフライヤーとなっていて、フライドポテトや鶏のフライなどの揚げ物の調理に使用されます。
マイクロ波オーブン
電磁波を使用した調理用オーブンです。食事を加熱するために使われます。
ガス焼き肉器
ガスを使用した焼肉用の器具で、焼肉やバーベキューなどを調理するためのものとなっています。
ガスステーキ焼器
ガスを使用したステーキを焼くための調理機器です。ステーキやハンバーグなどの調理に使われます。
業務用プロセスライン
料理を加工するために自動化された料理加工ラインや手作業で行われるプロセスラインのことです。プロセスラインを導入することで、生産性の向上や品質管理の強化、コストの削減などのメリットがあります。
タオルウォーマー
タオルウォーマーはお客さまへのおしぼりを温めるための厨房機器です。
これらは一例であり例、業務用厨房にはさらに多くの種類の機器があります。必要か不要かは飲食店のジャンルによって違います。
まとめ
飲食店において厨房はもっとも重要な場所です。基本的な業務用厨房機器なものをそろえながら、他にどのようなものが必要なのかをメニューや調理工程などを考慮しながら検討してみましょう。
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