飲食店やホテル、学校などで使用される業務用の厨房機器は、一般的な家庭用のものと違い、家電量販店などで見かけることがほとんどありません。

いざ飲食店を開業することになったときに、どのようなメーカーがあり、どのような厨房機器を販売しているのかを知っておくと便利です。

そこで厨房機器の主要なメーカーを5選、紹介します。また展示会などをおこなう厨房機器メーカーも多く、厨房機器を実際にみたり、担当に話を聞いたりする機会もあるので、一度足を運んでみるといいかもしれません。

厨房機器とは

主にレストランや喫茶店などの飲食店、やホテルや旅館などの宿泊施設、また病院やスーパーマーケットなどに設置された調理施設を厨房といい、そこで使用されるさまざまな調理機器のことを厨房機器といいます。飲食店の厨房において料理を提供するために欠かすことのできない設備です。

プロフェッショナルが料理を作るために使用するさまざまな設備は、大型であり、耐久性が高く、使い勝手がよく、高性能のものが選ばれています。業務用厨房機器の種類はさまざまで、冷凍冷蔵庫、シンクや食器棚などの飲食店を営業するうえで絶対に必要とされる設備以外は、飲食店の業種によって使用する設備に違いがあります。

大きさや機能を考慮しながら、厨房設備を適切に選ぶことで効率のよい営業ができ、売り上げにもつながります。飲食店において厨房機器選びは重要な要素となります。

厨房機器の種類

業務用厨房機器は飲食店など料理を提供するための業種において、調理に欠かせない機器となります。どのような種類があるのかをみていきましょう。

※その他、飲料供給機、食材供給機等

上記のようなものの他に、手洗い関連やウィルス感染対策で重要な環境・衛生管理製品や消毒保管機器、適温・配膳機器なども厨房機器に含まれると考えられます。

近年はテイクアウトや自動販売機を使った販売など、飲食店の新たなサービス提供の形が急成長しており、それに合わせた厨房機器も多く開発されています。

認証飲食店省エネルギー設備等導入支援補助金、事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金などを利用した、冷蔵庫や食洗器、冷凍自動販売機や真空包装機に注目があつまっています。

厨房機器の選び方

厨房機器を選ぶ際のポイントをおさえておきましょう。

厨房機器の状態

厨房機器を準備するにあたり3つの方法があります。

新品

新品を購入する最大のメリットは、自分の店舗にあった厨房機器を選ぶことができる、いい状態で使用することができ長く使うことができるという点です。

特にメーカーや専門店から購入する際には、メーカー保証がついている場合もありいざというときの安心感があります。複数の店舗から見積もりを取ることで、価格の比較をすることができます。また、業者によっては設置や配管の作業まで含まれていることもあるため、購入から設置までを全体として考えると結果的に安価となる場合があります。

中古品

厨房機器は中古品以外にも、未使用の新古品、展示品なども出回っており、専門店やインターネットで購入することができます。

新品に比べると低価格であり、初期費用を抑えることが可能ですが、中古品の場合には故障が起きる可能性は新品より高くなってしまいます。そのためにも機能や動作が確実であるか、汚れや傷はないかなど、細かく確認することが必要となります。メーカー保証がついていない場合には故障が起きても修理費用が発生することも考慮し、取り扱い業者を含めて、慎重に選ぶことがポイントとなります。

リース

予算に余裕がなく、新品も中古品中古品も購入するのが難しい場合にはリースという方法もあります。月々の支払によって必要な厨房機器をリース会社から借りることが可能で、初期費用を抑えることができます。

スペースと機器のサイズ

厨房機器のサイズはもちろんのこと、厨房機器を設置するスペース、動線なども考慮もした上で、製品を選ぶことをおすすめします。サイズとスペースについては、厨房機器のメーカーに直接問い合わせてると、相談に乗ってくれる場合があります。建築図面などを用意し、どのような造りであるか、どんなメニューを提供するのかできるだけ細かく伝えることで、機器の選定や配置、導線についてイメージしやすくなり、最適な商品を提案してくれます。

購入方法

一括購入か複数メーカーから購入するかでコストに差がでます。多数の厨房機器を一括購入することで大幅な割引が発生する場合が多く、お得に購入できる可能性があります。また、1つのメーカーにまとめることで、設置や施工の打ち合わせがスムーズとなるメリットがあります。

一方で複数メーカーから購入する場合では、メーカーによる得意分野の機器をそろえることができるため、それぞれ最適な機器を使用できる環境が整います。

しかしながら、一括購入による割引などが発生しないため割高となってしまう可能性が考えられます。

購入後のサポート体制

毎日使用することになる厨房機器は、不具合が起こったときにどれだけ早く対応してもらえるかが重要なポイントとなります。国内に多くの営業所を持つメーカーであれば対応が早く、即日もしくは翌日など迅速なサポート体制が期待できます。定期的な点検やメンテナンスはもちろんのこと、アフターサポートがどの程度まで受けられるかの確認も忘れてはいけません。

厨房機器メーカー5選

飲食店で使用されることが多い業務用厨房機器メーカー5選を紹介します。

マルゼン

ガスコンロやガステーブル、オーブン、焼き台、フライヤー、ゆで麺機などの熱調理機器に強いメーカーです。ピザ屋など本格的にオーブンの利用を考えている場合にはスチームコンベクションオーブンに定評があるマルゼンはおすすめです。ブランド力の高さから、病院や学校などにも施工実績が多く、厨房設計や施工などに関してのコンサルなども充実しています。事業所では、それぞれテストキッチンと呼ばれる場所が設けられており、厨房機器を実際に使用したり、目で確認するためのスペースとなっています。高い評価を受けている熱機器を実際に自分の目で確認し、選ぶことができるというのは非常に魅力的です。

マルゼンの製品一覧

ホシザキ

業務用の製氷機や冷蔵冷凍庫では国内シェアトップを誇るのがホシザキです。日本初の全自動製氷機を開発した会社です。地域密着型のきめ細かいサービスとサポート体制が特徴で、高く評価されているポイントです。万が一のときには、即日対応が可能であり利用者にとってとても安心することができます。国内外でトップクラスのシェアを誇り、独自の技術に基づく製品開発と高い品質基準が人気の秘密となっています。ペンギンのマークといえばホシザキというように、多くの厨房で活躍している一流の厨房機器メーカーといえます。

ホシザキの製品一覧

タニコー

タニコーは、オーダーメイドによる厨房機器が売上の約半分を占めているのが特徴で、店舗のコンセプトに合った厨房機器を導入することが可能です。

ホームページには、厨房やシステムキッチンの実際の施工例が記載されてるので参考にしてみましょう。

特にガス機器や熱機器には特に力を入れているため、おすすめです。業務用厨房機器の製造、販売、施工、メンテナンスなどを行う全国に営業所を持っており厨房機器の製造はもちろん、設計やアフターケアなど様々な面において幅広くサポートしています。
タニコーの製品一覧

フジマック

フジマックはアジアを中心に海外展開もしており、海外出店のサポートもおこなっている業務用厨房機器総合メーカーのパイオニアです。

冷蔵庫・冷凍庫・冷凍冷蔵庫（縦型）シリーズ「2018年度グッドデザイン・ベスト100」受賞をしています。オーブンやフライヤーはもちろん、熱調理に関する実績が極めて高い点が特長です。小ロット多品種にも対応し、製造から物流、施工まで一貫しているので、スピーディーさと品質管理に優れています。

フクシマガリレイ

1951年創業の非常に高い知名度を誇る厨房機器メーカーです。飲食店だけではなくスーパーや生鮮食品を扱っている業者において、多く使用されており、高い信頼を得ています。極めて高い温度管理技術を採用しており、製氷機や食品加工機器を得意としています。

フクシマガリレイの製品一覧

厨房機器の市場

厨房機器は飲食店や宿泊施設などの増減によって市場は大きく変動します。現在、国内の業務用厨房市場は総じて低成長の傾向が続いているといえますが、世界的には安定的な成長が続いているのです。

まとめ

厨房機器メーカー5選を紹介しました。それぞれに得意とする機器があります。必要な機器や使用する機器によって、選ぶメーカーを変える方法もありますがコストがかかります。ひとつのメーカーで揃えて一括購入することで、割引された価格で購入することができます。予算なども考慮しながら選ぶといいでしょう。